2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

リンク集 お友達など

最近のトラックバック

« エンジンの点火用スパークプラグにレーザー光が、替われるか | トップページ | 気象観測 雨雲レーダー の実情 »

2011年8月16日 (火)

LED  光取り出し効率 の改善に モスアイ構造

Trizmegane

モスアイ構造 (蛾の目構造)
蛾の目の表面はたくさんの凹凸構造で出来ていています。
これは夜間蛾が活動する時に月明かり程度の明るさの微量な光線を目に取り込む為、又
月明かりなどが目に反射(キャッツアイ現象)して気付かれ天敵などに捕捉されない為の構造です。
構造的寸法は200ナノメートル六角錐形の突起眼が300ナノメートルの間隔で整列している、可視光線で言えば紫色は380ナノで 赤色は750ナノであるからこれらの波長がモスアイ構造に入射しても可視光線の波長よりも狭い為に吸収されてしまうのです、結果入射光は全て吸収されて反射する事がないのです。

110815

このモスアイ構造を応用し効果を上げ始めた物がLEDランプ又太陽電池です。
省エネ・節電の為に急速に普及し始めたLEDランプ、課題はまだまだ多いのです。
その課題の一つに 「光取り出し効率」の課題があります。

何も処理されていないLED構造体において発光層内部表面では発光の一部が内部反射されて素子から放射されず戻ってきてしまう、そして発光層背面ベース金属材の表面で再度反射されるがまた発光層表面(内面)で一部が反射される、この事を幾度も繰り返し次第に熱へと変換され損失となる。
この為に発光層内部表面で発光の全てが通過して放射される事が望まれる、その為に発光層内部表面は無反射となる構造形態が望まれる。
発光層表面にモスアイ構造の類似形態を成形する試みとして各社・各研究所での成果が発表されている。
2_2

GaP 基板表面にナノ凹凸構造を形成した赤色蛍光体層は,平たん構造に比べ,2.6 倍の光取出し効率を達成している。
東芝レビューVol.60 No.10(2005)
Photo

独立行政法人 産業技術総合研究所
表面にリッジ(うねり)構造を作製し、さらに酸化シリコン薄膜(SiO2)をコーティングすることで半導体の内部で発生した光を世界最高効率で空気中に取り出せることを発見し、そのメカニズムを解明した。
4

林純薬工業株式会社
発光ダイオード向け、粗面化処理用エッチング液の開発、販売

などそれぞれが工夫をしているのだ。

そして
平成23年3月       科学技術振興機構(JST)
基板上に電子線投影露光によるステンシルマスクの500nm(ナノメートル)幅を規則的に並べたモスアイ構造をパターンを形成した後にドライエッチングによりコーン形状をしたモスアイ構造の形成を行った。
アスペクト比(高さと周期の比)はおよそ1、コーン高さ500nmでは最適周期が500nmとなった。
この処置によりモスアイ加工しない場合と比較して光出力が1.7倍~2.5倍、また、基板上直角方向の光度が2倍~3.5倍向上する効果を確認できました
5

正確なモスアイ構造をLEDに適用すれば相当の効果が得られる事は判っていたがなかなか実現化出来なかった。
科学技術振興機構(JST)が実現出来た要素は
① ステンシルマスクに金粒子の自己組織化を利用した正確なパターンを創作した事
② マスクパターンを耐性の高い層と耐性の比較的低い層の二層構造を採用した事。
③ エッチングにおいてサイドエッチング制御により円錐形状を実現した事。
この主要件により高効率の光取り出し効果を得た。
 これはまさに技能・テクニックを要する作業である。

新技術の開発においては出来合いの装置でマニュアル通りのボタン操作では卓越した成果は得られないのだ。
青色LEDの開発に尽力した日亜化学工業の中村修二は装置のガラス機器を自身が飴細工の様に製作した、製作の職人技が有ると容易に実験等を次々に進め結果の正否を確認出来、更に次の段階へと素早く思索を進める事となる。
新技術の開発には製作技能的要素も重要なのだ。

さて、ここで発想のトレーニングを少し試みて見ましょう
無反射(全吸収)と言う課題に直面した時の考え方を参考にしてみてください。

光にせよ電磁波にせよ波長に変わりはないのですね、吸収とは外来波長を共振吸着するか波長を細かく折る(切断・分断・分離 )する事により跳ね返りを防ぐ事なのです。
つまり波長の半分以下の測長物を密植させれば効果が出るのです。

110810

               無音響室    電波無反射室

黒いタイヤ・炭・墨汁・煤など黒く見えるものは光を吸収するから黒く見えるので、理由はカーボンブラック・炭素などの数nm-数十nm程度の固体の粒子による波長分断による効果なのです。
ステルス戦闘機のレーダー波吸収はカーボンマイクロコイルを混ぜ込んだ塗料で被覆してある為に電波を共振吸収しているのです。
又、八木アンテナの後方では特定波長の飛来電波は極端に減少してしまいます。吸収されているのです。
そして、電子レンヂの覗き窓に金属の網目が配置して有り、12センチ波長電波の半分の網目サイズ以下の穴からは電波はほとんど漏れ出さないのと同じです。(但し実際は高調波対策の為ずっと小さい網目です)

カメラレンズの反射防止コーティングこれは波長の位相のコントロールです
無反射コ-ティングの蒸着材としてはフッ化マグネシウム(MgF2)が使われてます。レンズガラスの片面あるいは両面に施すことがあります
コーティング厚みは光の波長と同程度かそれ以下です。
薄膜表面からの反射波面と基板表面からの反射波面との相殺的な干渉が起きるようにします。(シャボン玉の虹色はこの為です)
これに伴って透過光量が増え無反射に近い状態となります。
モスアイ構造の様な無反射透過の構造体はどうやら他には見当たらないですね。
自然界における構造体には我々の英知を越えた仕組みがたくさん存在しています、謙虚に学ばなければならない事が多いですね。

さて、特許情報のキーワード検索方法ではどんな要素で「無反射」を実現しているか調べてみます。
著者 「アミダ メソッド /パテント キーワード検索 手法」も参考に覗いてみて下さい」    http://gah03167.g.dgdg.jp/p017.html

キーワードとして「無反射」「吸収」を入力しました。
257件の包含関連特許が有る事が判ります。
その内の上位40件程を調べてみると。

110816
コーティングによる反射防止法は               10件         34%
共振サイズによる吸収方法                  6件         21%
波長より小さいサイズの物体による吸収方法    5件         17%
モスアイ構造による吸収方法                 4件         14%
可変屈折率による吸収方法                 2件          7 %
偏光フィルターの組み合わせによる吸収方法    2件        7%    計29件

などが見受けられた。(重複使用も見られる)

問題解決のアイデア出しに困った時「キーワード検索」で大まかな方向性を見つけるには効果的な手法と思いますがいかがでしょうか。
技術的課題の解決で闇雲に「ブレーンストーミング」でアイデア探しを行うよりも効率的と感じて活用してきました。
一度お試し下さい。

TRIZ の技術をふんだんに含んだ 問題解決手法・アイデア出し・新商品開発に効果的な手法 「アイデア ビッグバン」 近々販売予定です。

覗いてみてください。http://gah03167.g.dgdg.jp/hanbaimadoguchi.html 

 121012 

 制作 /夢少年

« エンジンの点火用スパークプラグにレーザー光が、替われるか | トップページ | 気象観測 雨雲レーダー の実情 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528803/52490185

この記事へのトラックバック一覧です: LED  光取り出し効率 の改善に モスアイ構造:

« エンジンの点火用スパークプラグにレーザー光が、替われるか | トップページ | 気象観測 雨雲レーダー の実情 »