AtoZ HV自動車用モーター、レアメタル類は不要と成りそうだ !
SR モーターに関連して !
NHK番組 追跡 AtoZ で「レアメタルを確保せよ !」が5/01に放映された。
予想された内容ではあったが現状レアメタル・レアアースの入手は大変である。
現状あるいはここ十年程先までの日本の産業の屋台骨「自動車産業」、内容は大きく様変わりするだろう。
自動車の主流はハイブリット自動車・電気自動車に急速に変わるからだ。
この時必要な3要素「バッテリー・駆動モーター・制御インバーター」、その内のインバーターは日本の得意技これは大丈夫だ。
バッテリー/現在しのぎを削って大容量化・低価格化・省資源化に取り組んでいる。
バッテリーに関しては次回に思うところを書いてみます、今回は触れません。
さて駆動モーター、これにはネオジムマグネットが使われている。
この磁石は日本の発明、住友特殊金属が1982年に開発した物だ、しかし「錆び易い・脆い・温度に弱い」の欠点がありなかなか自動車用途には実用化出来なかった。
しかし、改良を重ねジスプロシウムやテルビウムと言う希土類を添加して飛躍的な性能改善が為された。
トヨタのプリウスの補助モーターとして使われ出し一躍有名になった。
ところが今日ネオジムやジスプロシウムが入手困難になっている、もちろん価格が高騰している事もあるが原産国からの出荷量よりも需要が上回り品不足となっているのだ。
出荷量の制限が為されている模様だ。
原産地が限られ中国で世界の90%を産出しているからだ。
上記 NHKの番組中でも中国の販売窓口の担当者は高圧的・傲慢的・威圧的交渉態度で
交渉に臨み、高慢な素振りが感じられたのは筆者だけではないだろう。
電気自動車の普及期に当たるこの時期、番組を見た方は不安を覚えるでしょうが、モーターに関しては筆者は 「大丈夫だ」 と考えている。(o^-^o)
むしろ、高慢な交渉をしていると後に原産国側が不利になるだろうと思っている。
理由は 希土類を一切使用しない同サイズ・同性能のモーターの開発が為されているからだ。
本年の3月に東京理科大学の千葉明教授らが開発したスイッチドリラクタンスモーターという品だ。
使用する材料は、鉄心材料に6.5%ケイ素鋼板を使用している、特に低出力時の効率が改善され成功につながったと発表している。
詳細記事はここを見てください。
このモーターは使用材料だけによる性能向上ではなく、制御方法の改善が大きな要素であると思う。
制御に関してはたぶんこの特許が大きく影響していると思います。
特許はこれかな
国際出願番号 : PCT/JP96/00860 国際出願日 : 1996年3月29日
国際公開番号 : WO96/35257 国際公開日 : 1996年11月7日
出願人 : 日機装株式会社 外2名 発明者 : 千葉 明 外2名 深尾 正、 道岡 力(ダイハツ)
発明の名称 : スイッチドリラクタンス回転機
要約:
この発明は、回転軸に電磁振動を発生させることなく、高速で回転子を回転させることができるスイッチドリラクタンス回転機に関し、固定子の突極に倦回した巻線にトルク発生用の電流と半径方向力発生用の電流とを通電し、または固定子の突極に、トルク発生用の巻線及び半径方向力発生用の巻線を倦回してなる。
このスイッチドリラクタンスモーター以前から研究はされていた。
筆者は10数年前に偶然にも「伴五紀(ばん・いつき)」氏の事務所でこのタイプの試作品を見せていただいた、但し当時まだ完成はしていなかった。
良いモーターに育つぞー、但し「課題は 音が大きい・回転が上がらない」と話された事を覚えている。
現在この技術は実用段階に達し ロイズ・アンド・アソシエイツ株式会社が管理している様だ。
多くの関連特許を所有している。
ホームページはこちら http://www.lloyds-associates.jp/corporate/index.html
(上記 ホームページから転記 )
同等の内容か差違は分からないが 希土類を使用しない事において、いずれ共に電気自動車用モーターの救世主になるだろうと筆者は感じている。
さて、電気自動車用の駆動モーターの「問題・課題」どこがネックなのだろうか ?
そう、本来の目標は何なのか ?
そうです、効率が良くて・小型で・低コストで・安定して生産出来る事でしょう。
今マスコミなどで騒ぎ立てている「希土類が手に入りにくくなる」は当面の課題の一つでしかなく、「安定して生産出来ない」の要素の一つでしかないですね。
トヨタ式「なぜ・なぜ・なぜ・なぜ・なぜ」問答をすれば直ぐに気が付くよね。
資源戦争に巻き込まれずモーターを生産するには「希土類など入手困難な要素を避ける事」こそ肝心でしょう。
「そんな事当たり前に分かっているわいー」と関係企業・関係技術者は言われると思います。
だからこそ、一段高い目線で国が「ビジョンを起てる」必要が有ると思うのです。
( 鳥の眼 的 鳥瞰思考が必要だ )
どの分野を支援・注力して有意性を発揮させるかの「戦略」こそが必要と思います。
戦略の教科書 「孫子」の兵法書曰く
「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(謀攻篇)
非好戦的に事を進め、 資源戦争を避け国力の消耗を戒める「戦略の提示」がほしいものだ。
もちろんスイッチドリラクタンスモーターが主流になっても指でつまみ揚げる程小型のモーターまで全てこの方式に変われるとは思わないが、希土類消費量の多いモーターが材質転換すれば資源需給のバランスは大きく変化するだろう。
ぼろ儲けの夢を抱く資源独占国が、「奢れるものは久しからず・・・・春の夜の夢のごとし」を学習していただくべく、当モーターの普及例を見せつけたいものだ。
「日本の将来が見えない」と言う声を良く聞く。
現在は明治維新と同様な時節だと筆者は感じる。
労働・産業形態が大きく変化している「産業革命」と、政権が裏替えり「新政府」が舵取りしている激変期だ。
明治新政府の未熟・未経験な指導者達が試行錯誤を繰り返しながら作ってきた今日の基礎、現在の政府にも事有る毎に声を投げつつもうしばらく様子を見てみたい。
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