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2010年3月 2日 (火)

シロアリにアルコール作りの下準備をしてもらおう。

シロアリにアルコール燃料作りの下準備をしてもらおう。

今日石油系燃料の価格高騰あるいは不安定を回避すべく、アルコールがガソリン等に混合する希釈剤として有望視されている。

しかし、このアルコールの原料がトウモロコシなど人間あるいは家畜用食料であり果たしてこの様な用途に転用して良いものが疑問である。
ちなみに100%エタノールをトウモロコシから100リットル作るにはトウモロコシが300㎏が必要なのだ。
これはトウモロコシを主食にする者にとって2年分以上の消費量に相当する。
食料を燃料にする事は許されるのか。
「科学者の倫理」「企業の品格」などという言葉が頭をよぎる。

そこで、非食料材としての木質系あるいは草茎類からアルコールの生産が出来ればカーボンフリーに持っていける。
ところが木質系を例に取れば、含有主成分のセルロースがなかなか分解出来ないのだ。

Photo_3

(お家をガリガリ食べた罰として今度はアルコール作りに働いてもらうよ)

そこで、木材などを主食料にしている「シロアリ」に白羽の矢がたった。
シロアリは地球上の生物の5%の質量を占めていると言われ、腐った木材などを分解して生存しているのだ。
通常では分解しにくいセルロースを食料としている。
これは体内に共生させて居るバクテリアに糖類を酵素分解してもらっているのだ。
但し、どのバクテリアが効率よく分解する酵素を生産するか特定する事が難しかったのだ。

この事の糸口を発見してくれだ研究が以下の事例だ。

詳しくは以下のHPをご覧下さい。
http://www.riken.go.jp/r-world/research/results/2010/100120/index.html

「シロアリ腸内共生系の高効率木質バイオマス糖化酵素を網羅的に解析」

大筋をまとめると。

シロアリの腸内に生息し、独自の進化を遂げた共生原生生物が持つセルラーゼについて。、すべての下等シロアリ腸内共生系を「メタトランスクリプトーム解析」によって網羅的に取得し、詳細に解析したのだ。。
結果、シロアリの持つ驚くべき高効率のバイオマス糖化システムの確立には、シロアリ腸内の濃密な微生物複合系での遺伝子の生物間移動が重要で有る事が判った。
本研究で得た酵素遺伝子GHF 7のエンドグルカナーゼ遺伝子は、従来型の酵素の5~10倍もの活性があることも明らかと成った。
今後、食糧問題と拮抗しないセルロース系バイオマスの利用に当たって、シロアリの持つセルラーゼ群は重要なリソースとなることが期待できます。

Photo_4

※    メタトランスクリプトーム解析
トランスクリプトーム解析とは、生物の中で発現している遺伝子の量を遺伝子ごとに定量し、その生物、組織または細胞内でどの遺伝子がどれだけ、どのタイミングで働いているのかを解析することを指す。その手法には、cDNAライブラリーの解析やハイスループットシーケンサーがある。本研究では、遺伝子の網羅的取得が大きな目的の1つだったので、cDNAライブラリーの構築を伴う手法を用いた。メタとは、主に複数の生物から成る環境サンプルを用いてこのような解析を行う際に付けられる接頭語で、環境サンプルを対象とした培養を介さない新しい解析手法であることを示す。

日本においては間伐材の放置・ダム流木・湿地の葦など、ただ放置すればじんわりとメタンガスなどを発生し温暖化を促す事になるだけだが、これらのセルラーゼ郡がアルコール変換に有効な働きを示してくれる。
大いに期待したい。
研究者の努力に敬意を表したい。

「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」における研究課題「バイオエネルギー生産のためのシロアリ共生系高度利用技術の基盤的研究」(研究代表者 守屋繁春)のレポートから一部転載いたしました。

関連の特許と思われるもの

出願番号 : 特許出願2007-232792 出願日 : 2007年9月7日
公開番号 : 特許公開2009-63487 公開日 : 2009年3月26日
出願人 : 独立行政法人理化学研究所 発明者 : 菊地 淳 外3名

発明の名称 : 蛋白質の探索方法   

http://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=2&sFile=TimeDir_17/mainstr1267517893703.mst&sTime=0


出願番号 : 特許出願2001-266454 出願日 : 2001年9月3日
公開番号 : 特許公開2003-70475 公開日 : 2003年3月11日
出願人 : 科学技術振興事業団 外1名 発明者 : 井上 徹志 外3名

発明の名称 : シロアリ共生原生動物由来のセルラーゼ遺伝子   

http://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=3&sFile=TimeDir_17/mainstr1267517893703.mst&sTime=0

Photo_5

筆者の別ブログ 「今日は何の科学日」       http://trizmegane.cocolog-nifty.com/day/
 過去の当日に関わった出来事・人物・技術要素などにコメントを付け筆者が思っている事・感じる事などを随想するブログです。

のぞいて観てください。

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